アメリカのテンカラ

アメリカやカナダのフィッシャーが始めています。
世界的なアウトドアメーカーのパタゴニアが、海外で「TENKARA ROD」を売り出すまでになるほど。
渓流の毛鉤釣り、日本での呼び方「テンカラ」がそのまま向こうの名前になっています。

アメリカのテンカラメーカー

TENKARA ROD CO

2013年秋にKickstarterのキャンペーンで目標額の30倍にあたる9万2000ドルを集めたTenkara Rod Co.

彼らの製品は、ご覧の通りのシンプルな(つまり普通の)振り出し式のテンカラ竿ですが、カラーリングやケースのデザイン、ロゴマークなどはとても現代的でスタイリッシュ。おそらくはウルトラライト以降のアウトドアカルチャーの洗練を受けた人たちなのだと思います。そして、その思想的なコンテクストの上で、究極的にシンプルで、故に超軽量でパッカブルなテンカラというスタイルにインスパイアされた人たちなのです。
アメリカのフィッシャーマンはもちろんのこと、キャンパー、ハイカーなど様々なアウトドアファンに注目されています。


Tenakra USA

2009年にDaniel W. Galhardoによって設立されたTenkara USA
Tenkara USAはアメリカに初めてテンカラ釣りを紹介した企業です。

奥さんは日本人(アメリカ国籍)です。ダニエルは小さい頃、ブラジルのサンパウロで育ち、周囲に日本人が多かったので、日本人の生活や習慣に慣れているし、日本人に対する偏見がないとのことでした。ナイスガイ。日本人の感性を感じます。
ダニエルになぜテンカラを始めたのかと聞いたところ、「日本の雑誌でテンカラのことを知った。日本にフライフィッシングとは違う毛バリ釣りがあることを知り、興味をもち、いろいろな本をみてテンカラをしてみたくなった。そこで、始めたところすっかりとりこになってしまい、ついに会社まで起こしてしまった」というものでした。
テンカラのタックルのないアメリカで、最初にどのような竿やラインで始めたのか聞き洩らしましたが、テンカラを知って自分のLifeが変わったというくらいにテンカラにぞっこんなのです。うれしいではありませんか。アメリカの26歳の青年が日本のテンカラに惚れこんで会社まで設立したのです。アメリカにはこういう突拍子もないことを考える人がいるのです。

ご承知のように日本ではテンカラ専門でビジネスをするのは難しいでしょう。需要が少ないこと、個々の商品の値段が安く、利益が少ないからです。ラインはレベルラインでいい、毛バリはなんでもいいとなるとお金になりません。しかし、ダニエルは日本の事情を知りません。あくまでアメリカではビジネスになると考えています。

ダニエルはフライフィッシングは難しく考えすぎているといいます。もっとシンプルな方法でも釣れるはずだ、ということでいきついたのがテンカラというわけです。さらに自分は渓流の環境、つまり岩がごろごろあって、鳥が鳴いている緑の山中が好きだといいます。まさにテンカラ向きの志向です。
アメリカでは誰もがフライフィッシングをやっていて、それは当り前のこと。だから逆に誰もがやっていないテンカラがクールだというわけです。それにアメリカの人口は3億。日本の3倍です。フライフィッシングはお金がかかる中高年の釣りであるのに対し、テンカラは安く楽しむことができるというわけです。
ダニエルはテンカラのシンプルなところに惚れたようです。